動脈硬化疾患

日本人の死因の主なものは、がん(悪性新生物)、心疾患、脳卒中(脳血管障害)、肺炎です。心疾患と脳血管障害のほとんどが、動脈硬化が原因でおこることを考えると、動脈硬化とがんが2大死因ともいえます。
動脈硬化の原因となるものは、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、高尿酸血症などの生活習慣病であり、また、内臓肥満も危険因子であるとしてメタボリックシンドロームが広く知られています。これらの疾患は運動・食生活などの生活習慣の改善や薬で治療します。

脳卒中

atherosclerotic_stroke

脳卒中とは脳血管障害の総称であり、具体的には、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などをさします。私自身も脳神経外科医として長く働いてきたなかで、脳卒中の診療がひとつの中心をなしてきました。頭痛、脱力、歩きにくさ、しびれ、呂律不良、意識障害などが急に出現した場合は、脳卒中の可能性を考えなければなりません。また、脳卒中を一度経験された方の再発率は非常に高いものがあります。
脳卒中専門医として、急性期の診断と慢性期の再発予防治療にあたります。

虚血性心疾患

虚血性心疾患とは狭心症や心筋梗塞をさします。動脈硬化の危険因子を持った方が、胸の圧迫感や息切れなどの症状を感じた場合は要注意です。
16列のマルチスライスCTでは冠動脈そのものを評価をするのは難しいのですが、当院では、主に心電図や24時間心電図(ホルター心電図)などで評価します。24時間心電図は、ペースメーカを考慮するような不整脈や、塞栓症の原因になるような不整脈の診断にも有用です。

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)

動脈硬化の危険因子をもった方が、歩行時に下肢症状(痛み、しびれ、だるさなど)を自覚した場合は、この疾患の可能性を考えなければなりません。一方で、特に自覚症状の訴えがない場合もあり注意を要します。また、腰部脊柱管狭窄症としばしば似通った症状を呈します。
ABI(上腕と足関節の血圧比)、PWV(脈波伝播速度)で評価します。

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